多汗症治療に汗止めボトックス注射

多汗症治療は様々な方法があります。ボトックス注射はどれほどの効果があるのか? - ボトックスとはどんな薬なのか

ボトックスとはどんな薬なのか

美容の世界では、プチ整形などにボトックス注射が使われています。とはいえボトックスとは何でしょうか。多汗症の治療を考えた際には、基本的なことを知っておきましょう。

ボトックスとは何か

ボトックスとは、食中毒菌でお馴染みのボツリヌス菌が産生する毒素であるボツリヌストキシンを薄めたものです。ボトックスが働く基本的なメカニズムは、届いた部位における筋肉の働きを弱めてしまう筋弛緩作用です。
どんな薬も、裏を返せばリスクがあります。ボトックスは、この逆応用をしたタイプです。つまり毒を薬として利用したのです。麻酔的な効果が、美容分野で重宝されることになりました。
日本においてボトックス製剤は、1996年に初めて眼瞼痙攣の治療用として認められました。以後痙攣を止める用途で多々適応症を広げていき、2012年からは重度の原発性多汗症への適用が承認されました。

主なボツリヌス毒素製剤

日本の厚生労働省によって認可されている製品には、グラクソ・スミスクライン社製のA型ボツリヌス毒素製剤である「ボトックス」があります。添付文書を見る限りでは、これだけが多汗症の治療に際して扱える薬のようです。
またアラガン社製のA型ボツリヌス毒素製剤「ボトックスビスタ」もあります。美容クリニックでは、こちらの方が汎用されているようです。
日本ではB型ボツリヌス毒素を使ったエーザイ社製の「ナーブロック」もあります。ただしこちらは痙性斜頸に対する適用のみが認められています。
その他にも韓国製の「ニューノロックス」なども用いられているようます。
多汗症で保険適用を受けるならば「ボトックス」が正規品です。しかし値段の関係から、クリニックごとに、使う製剤を変えていることがあります。

知っておきましょう

熟練した医師が認可された薬を使う限りにおいて、トラブルは起きないでしょう。とはいえ患者さんも術前にカウンセリングを受け、どんなものであるか知っておきましょう。後悔しないためには大切なことです。

関連する記事